ひとむかし前までの主要な青汁の原料はケールということで相場が決まっていました。 しかし、近年では、明日葉や大麦若葉なども高い人気を誇っています。
そもそもケールは栄養価に優れている反面、味が苦いという特徴があり、 それ故に冷凍タイプや粉末タイプでは飲みづらいという難点がありました。
そのデメリットを補うことができる素材として注目されているのが、 上記のような材料というわけです。
特に明日葉は日本原産の植物ということもあり、比較的親しみやすい野菜といえるでしょう。 主な生産地として挙げられるのは千葉県・房総半島や伊豆諸島で古くから自生しています。 人間との関係も古くから密接なものがあり、不老長寿の薬と言われていたこともあります。
和歌山県を中心とする紀伊半島エリアにも自生しているものがありますが、 これは、切り株を移植したものであり、本来は関東地方の温暖な地域に生えていたようです。
ケールに負けずとも劣らない高い栄養価が魅力のひとつであり、 近年では、原材料としてこれを採用する商品が非常に増えてきています。
ケールはスーパーなどでも余り見かけない野菜ですが、こちらに関しては、 比較的、新鮮なものも入手しやすいでしょう。
八丈島では、この野菜が名産品にもなっており、 現地では天ぷらなどにして食べる方法も主流となっているようです。 基本的には茎や葉を食用にするのですが、バター炒めなどの調理法でも、 美味しく食べられることから、家庭でも活用しやすいと言われています。
別名では、八丈草(ハチジョウソウ)と呼ばれることや明日草(アシタグサ)と呼ばれます。 この「明日」という言葉が名前に使われているのには、実は理由があります。 これは、夕方ごろに摘んでしまっても明日にはまた生えてくるという逸話が 大きな背景になっているようです。
実際のところは3日程度はかかってしまうようですが、 それでも非常に速い再生であり、強い生命力を象徴する事象だといえるでしょう。
この生命力からも高い栄養価が窺い知れると思います。
その最大の特徴として挙げられるのは、豊富に含まれている独自成分、 「カルコン」の存在でしょう。
フラボノイドの一種で、様々な効能を持っている物質として知られています。 フラボノイドとは、近年注目されている健康成分です。 天然の有機化合物であり、ポリフェノールとも呼ばれる物質ですが、 いくつかの種類があり、特定の食べ物から摂取できると考えられます。
例えば、チョコレートやワイン、ココア、お茶などが代表例です。
茎の部分を切断すると、黄色い液体が溢れてきますが、 実は、これがカルコンそのものです。
明日葉のものはセリ科の植物であり、さっぱりとした味わいが特徴です。 苦味やクセが少なく、ほのかに漂ってくる苦味が美味しいと評価される傾向にあります。 そのため、青汁の製品として摂取するときも続けやすく、初心者には最適です。
ちなみに、この原料が使われている製品としては「ふるさと青汁」が人気です。 コストパフォーマンスも比較的高く、ダイエットやむくみ解消を目的としている人には、 最適だといえるでしょう。
この製品の摂取で改善できる症状は多岐にわたります。 糖尿病や動脈硬化や高血圧などの生活習慣病をはじめとして、 免疫力を高めることが出来るという効能や便秘を解消する働きもあり、 さらには先述したむくみの解消、ダイエット、アンチエイジングなどにも、 非常に有効に働きかけてくれます。
また、骨粗しょう症や認知症にも効果を発揮することが考えられます。
明日葉には特にビタミンB群が豊富に含まれていることでも知られています。 これは約8種類からなる栄養群を指しています。 具体的には下記が挙げられます。
「ビタミンB1」 水溶性ビタミンで、別名はサイアミン、もしくはアノイリン。 糖分や脂肪酸を分解してエネルギーにしていく働きがあるため、 身体にとっては必須の栄養素として挙げられます。
卵や豆などに豊富に含まれていますが、 不足してしまう場合は神経炎を引き起こす可能性があるため、 積極的に摂取していきたいところです。
「ビタミンB2」 ビタミンB2はラクトフラビンと呼ばれることもある水溶性ビタミンです。 グロースファクター、つまり成長因子でもあり、 不足しがちな栄養素であるとともに、身体にとって必要不可欠な成分です。
水溶性のため、過剰摂取の心配がないのも安心できるポイントです。 その一方で不足してしまうと、成長が止まってしまったり、 老化が促進されてしまうことになります。
そのため、年齢や性別を問わずに積極的に摂取したいところです。
「ナイアシン」 ビタミンB3とも呼ばれている熱に強いという性質を持った水溶性のビタミンです。 欠乏症の一例としては、口内炎や皮膚炎などが挙げられます。
補酵素としても重要な働きを担い、エネルギーを代謝する役割もあります。
この他にはパントテン酸やビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンB12が挙げられます。
もちろん、明日葉にはビタミンB群の他にも様々な栄養が含まれています。